AI(人工知能)を搭載した業務パッケージやSaaSを導入する場合、どのような作業が必要になるのだろうか。AIを活用するためのデータの精度向上やモデルの作成に時間がかかる、導入プロジェクトにはデータサイエンティストが必要になる、などこれまでの業務パッケージやSaaSといくつか異なる点があることに注意が必要だ。

 AIを生かすために最も重要なのは、AIを有効に機能させるためのデータの量や精度だ。これは業務パッケージやSaaSであっても変わらない。パッケージやSaaSに蓄積したトランザクションデータに加えて、社外のデータを活用しようという動きもある。

図●AIを使った業務パッケージやSaaSのデータ収集の考え方
図●AIを使った業務パッケージやSaaSのデータ収集の考え方
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 業務パッケージやSaaSに蓄積したデータを活用する場合でも、AIを有効に活用するためには大量のデータが必要になる。休職の可能性のある従業員を見つける日立ソリューションズの「リシテア/AI分析・組織ストレス予測サービス」の場合、従業員1人あたり120項目のデータを3年分、利用することを想定している。

 「人事パッケージであるリシテアをきちんと利用して必要なデータを蓄積し、かつ従業員へのアンケートなどの調査データがあることを想定している」とクロスインダストリソリューション事業部オフィスマネージメントソリューション本部の山本重樹 本部長は話す。

 米ワークデイの場合は、「1年半程度、当社のERP(統合基幹業務システム)を利用していれば、機械学習関連の機能を利用するためのデータが蓄積する」と米ワークデイでProduct Marketing and Technology StrategyのSenior Vice Presidentを努めるダニエル・ベック氏は説明する。