「クラウド会計ソフト freee」(以下、freee)は、クラウド型の会計・確定申告ソフトだ。一番の魅力は、銀行口座やクレジットカード口座と連携しやすいこと。口座を同期し、さらに日々の帳簿つけもできるなど、省力化の工夫が盛りだくさんだ。

 今回は、freeeを使って日々の経理業務と確定申告を楽にする方法を紹介しよう。

複式簿記の知識が全く必要ない

 freeeはWebブラウザーから利用する。OSやブラウザーを問わず利用可能だ。最大の特徴は、各種口座と同期して、経理業務を自動化できることだ。通帳やカードの利用明細を見ながら1件ずつ入力していく手間から解放される。同期した口座の入出金履歴から、freeeが取り引きを自動で判断して入力してくれるからだ。

 請求書や見積書などを作成する機能もある。請求書をfreee上で作成すれば、管理が楽になるだけでなく、取り引きも自動で入力してくれる。

 白色申告はもちろん、10万円控除および65万円控除の青色申告にも対応できる。それでいながら、難しい複式簿記の知識を一切必要としない。freeeの入力画面では、これまでのソフトで見てきたような「借方」「貸方」という科目は登場しない。

画面1●freeeの初期画面
画面1●freeeの初期画面
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3つのプランから選択。自分に最適なプランは?

 まずは、freeeの導入方法から見てみよう。freeeの個人事業主向けプランは、「スターター」「スタンダード」「プレミアム」の3つがある。

 一番安く手軽に始められるプランは、「スターター」だ。日々の経理や確定申告に関する機能は利用できるが、消費税申告や収益レポート、月ごとの貸借対照表や損益計算書の作成などはできない。1人で仕事をしているフリーランスなどに向いている。

 「スタンダード」は、スターターよりも、利用できる機能が増える。消費税申告にも対応するので、売り上げが1000万円を超える店舗でも対応可能だ。スターターでは領収書などを撮影した画像を月5枚までしか保存できないが、スタンダードでは無制限になる。月ごとの貸借対照表や損益計算書も作成できるので、毎月の収益を把握して業務の拡大を目指したい人にお薦めだ。

 「プレミアム」は、複数店舗の運営にも対応している。スタンダードの機能に加えて、電話サポートも利用可能、導入時のサポートも付くなど、手厚いサポートが受けられる。導入した年だけ細かく教えてほしい人や、将来は法人化を目指したい人などに向く。

表1●個人事業主向けには、3つのプランがある。手軽に始めたいなら「スターター」、より充実した機能を求めるなら「スタンダード」や「プレミアム」を検討するとよい
プラン名スタータースタンダードプレミアム
料金980円/月(税別)
9800円/年(税別)
1980円/月(税別)
19800円/年(税別)
3万9800円/年(税別)
消費税申告×
複数店舗、複数従業員対応××
サポートチャット、メールチャット、メール(優先)チャット、メール(優先)、電話、導入サポート
レシート画像等の保存月5枚まで無制限無制限
電子帳簿保存機能××
収益レポート×
月ごとの貸借対照表、損益計算書×