今年(2017年)も確定申告の時期が近付いてきた。個人事業主など、確定申告が必要な人は、3月15日までに確定申告を終えなければならない。本連載では確定申告に役立つパッケージソフトやクラウドサービスを紹介していく。

ソフトはインストール型、クラウド型のどちらを選ぶべき?

 経理に不慣れな個人事業主には、確定申告ソフトが大きな助けになる。確定申告ソフトは、パソコンにインストールする「インストール型」と、Webブラウザーから利用する「クラウド型」の2タイプに分けられる。それぞれ、メリット、デメリットがある。

 インストール型は、インターネット接続がなくても利用できるが、対応OSはWindowsのみのことがほとんどだ。クラウド型はどのOSからでも利用できるうえ、出張中にノートパソコンから入力するといったことも可能だ。また、スマートフォン用の専用アプリを使って、スマホから入力することもできる。

 インターネットバンキングと連携しやすいのも、クラウド型の特徴だ。銀行口座、クレジットカード、電子マネーなどの各種サービスに接続し、取引内容をソフトに取り込むことができる。その際、勘定科目も自動推測して仕訳してくれるので、記帳の手間をかなり減らせる。一方で、インターネット接続がなければ利用できない。

表1●インストール型、クラウド型、それぞれにメリット、デメリットがある
インストール型クラウド型
メリット
  • 月額または年額料金が不要(税制改正時にはバージョンアップが必須になることも)
  • インターネット接続がなくても利用できる
  • 会計データを1台のPC内に留められるので、セキュリティ上安心
  • OSを選ばず利用できる
  • ソフトのバージョンアップが不要
  • 複数のPCやスマホからも使える
  • オンラインバンキングなどのサービスと連携しやすい
  • データのバックアップが必要ない
デメリット
  • Macでは利用できないソフトが多い
  • PCの故障に備え、自分でバックアップを取っておく必要がある
  • インターネット接続が必須
  • 月額または年額料金を払い続ける必要がある
主なソフト
  • やよいの青色申告17
  • みんなの青色申告18
  • やよいの白色申告オンライン
  • やよいの青色申告オンライン
  • クラウド会計ソフトfreee
  • MFクラウド確定申告

 インストール型は、消費税率の変更など大きな法改正がない限り、そのまま使える。また、過去の会計データを見たい場合も、いつでも閲覧できる。クラウド型は毎月、あるいは年単位で使用料を支払う必要がある。ソフトをバージョンアップする手間は不要だが、サービスを解約してしまうと、過去データを閲覧できなくなる。PDFとしてダウンロードしたり、紙に印刷して保存するなどしなければならない。

 自分の利用シーンを考え、インストール型かクラウド型かを選ぶとよい。