データ分析に活路を求めるヤフーで、データサイエンティスト約400人を集めた専門組織が「データ&サイエンスソリューション統括本部」だ。同本部を率いる志立正嗣執行役員(写真)にマネジメントと人材育成の戦略を聞いた。

(聞き手は矢口 竜太郎=日経コンピュータ


データサイエンティストを集めた「データ&サイエンスソリューション統括本部」ができてから2年近く経ちました。成果は?

 着実に成果が出ています。データ&サイエンスソリューション統括本部に、社内のデータおよびデータサイエンティストを集約しました。それ以前は各事業部門にデータが散在していたため、全社横断でデータ活用しにくい状況でした。今では事業部門の壁を越えたデータ分析が進んでいます。

写真●ヤフーの志立正嗣 執行役員 データ&サイエンスソリューション統括本部長
写真●ヤフーの志立正嗣 執行役員 データ&サイエンスソリューション統括本部長
撮影:新関雅士、以下同
[画像のクリックで拡大表示]

 人材を集約した効果も出ています。データサイエンティストが各事業部門に散らばっていたときは、個々のデータサイエンティストは“お山の大将”のような雰囲気がありました。「このサービスは私がいなければ成り立たない」というような感じです。その自負はよいのですが、エンジニアとしての視野が狭くなりかねません。データ&サイエンスソリューション統括本部に人材を集約してからは、データサイエンティスト同士が切磋琢磨してスキルを高め合うようになりました。