竹中工務店の建物管理システムプラットフォーム「ビルコミュニケーションシステム(ビルコミ)」では、マイクロソフトの機械学習クラウドサービス「Azure ML」で複数ビルの需要予測も実現できたが、利用料の高騰という課題が生じた。粕谷氏は「これまでは1棟での予測だったが、複数棟になったことでデータ量が急増した」ことを一因とする。

 ビル内のセンサーから収集したデータをそのままAzure MLに転送していたことも、利用料を押し上げた。大量のデータを処理していたため、処理時間が長くなったからだ。Azure MLの利用料は処理時間に連動する。

 粕谷氏は「以前は一度の処理に約70時間掛かり、利用料は1回で2万円近くになった。これでは運用には耐えないと判断した」と語る。

 負荷予測システムはAzure MLのほかにも、AzureのPaaSを複数利用している(図4)。

図4 データを前処理する中間DBを設けてAzure MLの利用コストを削減
図4 データを前処理する中間DBを設けてAzure MLの利用コストを削減
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