QCD(品質・コスト・納期)の順守よりもビジネスの目的達成を重視する「脱QCDプロマネ」。ビジネスの目的を満たすためには、利用部門の要求に臨機応変に対応することが求められる。そんな問題意識から、TISの林 靖彦ペイメントソリューション企画部副部長らは、チーム編成を改めた。
林氏らのチームは、決済システムのアウトソーシングサービス「PAYCIERGE」のシステム構築・運用を担当する。従来は、「受託開発に近い動き方だった」(林氏)。利用部門から要求を受けると、必要な技術を持つ人材をその都度集めてチームを編成していた。
この方法には大きく二つの課題があった。一つは、難易度が高い技術を持つ人材を確保しにくいこと。林氏らのチームが開発したスマートフォン向け決済カード管理システム「CARD×DRIVE」を例に取ると、与信関連の技術に詳しい人材や、外部のFintech企業のサービスと連携させるためのAPIに詳しい人材など、多様な技術分野のメンバーが必要となる。他の案件と人材の取り合いになることがあった。もう一つの課題は、チームビルディングに時間がかかることだ。