法人向け名刺管理サービスを手掛けるSansan。同社が個人向けに展開するのが、名刺アプリ「Eight」だ。交換した名刺情報をスタートにしたコミュニケーションツールで、異動や役職変更など先方の状況が変わったらそのアップデートにも対応する。同社はEightを単なる名刺管理ツールではなく、「ビジネスのSNS」と説明している。

 Eightの開発を担うのは、約60人のエンジニア。現在、機能強化に向けてさらなるエンジニアの募集を実施している。Eight事業部 開発統括責任者を務める宍倉功一氏に、採用したいエンジニア像や面接で重視するポイント、入社後の役割などについて聞いた。

(聞き手は長浜 和也=フリーランスライター)

募集するエンジニアが、Eight開発で果たす役割は?

Sansan Eight事業部 開発統括責任者の宍倉功一氏
Sansan Eight事業部 開発統括責任者の宍倉功一氏
撮影:八木 玲子、以下同じ
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 Eightは、既に名刺交換でつながった人とだけでなく、これからつながるべき人や企業を提案する機能を提供しようとしています。そのためには、大量のデータ分析が必要です。データ分析に基づくレコメンデーション機能の実装から、Eightサービスの運用に必要な広告配信、人材獲得を支援するリクルーティング機能のマネタイズ施策など、Eightに関わる幅広い開発に携わってもらいます。

 Eightの開発には、(アジャイル開発手法である)スクラムを採用しています。現在、主要機能ごとに、七つのスクラムチームを編成しています。各チームには、エンジニアとリーダー役のプロダクトオーナー、調整官役のスクラムマスターをはじめ、データサイエンティストやUI(ユーザーインタフェース)を設計するデザイナーも所属するなど、一つのチームで開発が完結する編成です。1チームの人員は8人前後です。

 新たに採用したエンジニアも、このチームのいずれかに参加することになります。

エンジニアを増員したい理由は。

 Eightで提供したいサービスが増えてきたというのが大きな理由です。有料サービスを含めて国内でさらに広く展開したい思いがありますし、2017年の秋からは、海外、特にインドでの事業にも注力しています。

 こうなると、スクラムチームを多数編成しなければなりません。エンジニアだけでなく、プロダクトオーナー、スクラムリーダー、デザイナーまで、プロダクトを作れるスキルを持ったメンバーを全体的に増やしたいと考えています。

ズバリ、採用したい人はどんな人ですか。

 まずは、コミュニケーション能力がある人です。スクラムプロセスによる開発は対話が多いので、周囲と上手にコミュニケーションできるかは、面接でしっかりと見ています。面接は3回行い、基本的には1回めは現場のメンバー、2回めは事業部長の私、3回めは役員が担当します。1回の面接に1時間はかけるようにしています。

 技術力も重視します。コーディングテストを実施することで、その人のスキルを判断します。

 あとは、当社のミッションに対していかに共感、貢献してもらえるかを大事にしています。当社は、「ビジネスの出会いを資産に変え、働き方を革新する」ことをミッションに掲げています。自分たちがどんな世界を目指しているのかという理念を共有した上で、Eightというサービスで人々の働き方を変えていくことに集中して取り組めるかが重要です。

 当社のエンジニアは、「言われたことを必死にやる」のでなく、ほかのメンバーと一緒に事業を作っていく責任を負っています。ミッションを果たすために自ら創造的な行動ができる人を求めています。