この特集は米IBMの人工知能(AI)システム「Watson」の現状を様々な角度から探っている。第1回は全体動向、第2回は中核機能の「Watson API」、第3回はユーザー事例を取り上げた。
今回は最終回として、日本におけるWatsonのパートナー戦略を取り上げる。
料金を示したソリューション製品を品ぞろえ
日本IBMは2017年にパートナー戦略を大幅に強化した。日本IBMのパートナー企業である「IBMパートナー」がWatsonを扱えるようにしたのはその1つだ。
従来はソフトバンクを除くと、Watsonを使ったシステムの開発・導入を支援できるパートナー企業は、ソフトバンクが「IBM Watsonエコシステム・パートナー」として認定した約100社(Webサイトには66社が掲載されている)だけだった。2017年にはソフトバンクの認定を受けていないIBMパートナーもWatsonを扱えるようになり、同年9月にはIBMパートナーとしてインテックやNCS&Aなど10社が名乗りを挙げた。
さらにパートナー企業がWatsonを販売しやすくするための施策を実施した。まず「パートナー企業がWatson APIをSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)として間接販売できるようにした。従来は日本IBMとソフトバンクしか販売できなかった」(日本IBMの吉崎敏文執行役員ワトソン事業部長)。
そのうえでパートナー企業の商材となるソリューション製品群を「AI in a Box」としてそろえた。2017年9月の発表時には計45製品を示した。