格安スマートフォン(格安スマホ)ブームに乗って成長してきたMVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)に暗雲が立ち込めてきた。FREETELブランドで格安スマホを手掛けてきたプラスワン・マーケティングの経営破綻が一例だ。

 わずか数年で684社(2017年3月末時点の総務相の電気通信事業報告規則に基づく報告の数字)に急拡大したMVNO業界。遠からず再編は避けられないだろう。だが、迫りくる危機に対し各社とも手をこまぬいているわけではない。

2012年3月にSIM単体パッケージを発表する日本通信の三田聖二社長(当時)
2012年3月にSIM単体パッケージを発表する日本通信の三田聖二社長(当時)

 MVNOの歴史は実は意外と古い。2001年に、日本通信がDDIポケット(現ウィルコム)の回線を借りて日本初のMVNOサービスを開始した。その後、携帯電話業界の競争を促進したい総務省の後押しを受け、NTTドコモの回線を使った3GやLTEのデータ通信あるいは音声通話のMVNOサービスも始まった。

MVNO(仮想移動体通信事業者)の歴史
MVNO(仮想移動体通信事業者)の歴史
日本通信が最初のMVNOサービスを開始した「第1ステージ」から、格安スマホがブームとなって急激に成長した「第2ステージ」を経て、新しいサービスを狙う「第3ステージ」へ移行しようとしている
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