「本当に基幹系システムを乗せて問題ないのか」「障害が起こったらどう対処するのか」。こうしたパブリッククラウド利用の課題は、どう解決するのか。クラウドの導入に携わるITエンジニアへの取材から、移行・運用に関するポイントをまとめた。


 基幹系システムでより重要になるのが、日々の運用監視だ。インフラ部分がブラックボックスであるパブリッククラウドの場合、ポイントを絞った監視でユーザーが正常に業務を行えているかどうかを確認する必要がある。

旭硝子とレコチョクが利用している運用監視ツールの画面
旭硝子とレコチョクが利用している運用監視ツールの画面
[画像のクリックで拡大表示]

全体監視で安定稼働を支える

 レコチョクが重視しているのは、システム全体の死活監視だ。「個々のサービスの監視よりも、ユーザーの利用シーンを想定してシステム全体の監視をするほうがよい」(レコチョクの松嶋部長)との考え方だ。いわば、「木を見るより森を見る」である。

 レコチョクは運用をクラウド側に任せるマネージドサービスを利用している。ユーザー側から見れば運用はブラックボックスになる。そのためシステム全体を捉えた監視を重視する。加えて障害発生の兆候を見る目的で、個々のサービスのCPUやメモリー、ディスク、応答時間などの状態監視も実施している。