監視システムに仕立てたRaspberry Piを家の中に設置することで、空き巣や不審者の侵入を検知するアイデアです。侵入者を検知するとブザーや音声で警告するとともに、検知した情報を無線LAN経由で管理用のRaspberry Piに送信します(図1)。侵入者の検知とデータの通信・保存に「EPICS(Experimental Physics and Industrial Control System)」を使います。EPICSは、加速器や望遠鏡などの大規模実験施設で使用されている分散制御システムを実装するためのソフトウエアです。拡張性が高く、管理側のデータアーカイブ定義を数行書き換えるだけで、新たな監視ポイントを増やせます。

図1●EPICSを用いた家の防犯・監視システム
図1●EPICSを用いた家の防犯・監視システム
監視用と管理用のRaspberry Piで構成される。
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 Raspberry Piは、監視用と管理用の2種類で構成されます。監視用は、空き巣や不審者の侵入経路である扉や窓を中心に設置します(図2)。スイッチや人感センサー、監視カメラ、警告ブザーを搭載し、侵入者の検知、警告や録画などをします。

図2●監視用のRaspberry Piを設置した例
図2●監視用のRaspberry Piを設置した例
スイッチを使って扉の開閉を検知する。
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 管理用は、監視用から受け取った情報を収集して記録します(図3)。監視用のRaspberry Piが検知した内容や映像は、タイムスタンプ情報と一緒に保存されます。そのため管理用のRaspberry Piには、データ保存用に大容量のフラッシュメモリー、もしくは外付けハードディスクを接続して運用します。

図3●管理用のRaspberry Piで監視情報を収集
図3●管理用のRaspberry Piで監視情報を収集
監視用のRaspberry Piの死活やネットワークも監視する。図では、「Window2」という窓を監視しているRaspberry Piに異常が発生している。
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