最近は、無線LAN機能を備えた体重計があります。体重計に乗ると、計った体重データをクラウドなどに自動的にアップロードし、グラフ化してパソコンなどで見られるようにするものです。体重や食事を記録して、減量につなげる「レコーディングダイエット」に最適な商品なのですが、1万円を超える価格がネックでした。

 しかしある日、「Raspberry Piとカメラがあれば、安い体重計(デジタル式)で同じものが作れるじゃん!」と気づきました。カメラで体重計の数値を撮影して、それをRaspberry Piに記録すればよいのです。記録後に、Wi-Fiでサーバーにデータを送るのも簡単です。

 まず、Raspberry PiにUSBカメラと、シャッターとなるプルダウン抵抗付きのスイッチをつなぎました(図1)。使うときは、ベルトにカメラを下向きに付けて、メーターが写るようにしつつ体重計に乗ります(図2)。スイッチを押すと、Raspberry Piにメーター部の画像が送られます。

図1●体重記録システムの構成
図1●体重記録システムの構成
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図2●体重計を撮影する様子
図2●体重計を撮影する様子
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 この画像の数値を画像処理ライブラリの「OpenCV」によって認識し、MySQLに日時とともに保存します。LAN内のパソコンからRaspberry PiにWebでアクセスすると、Google chart toolsによってグラフ化された体重の推移を見られます(図3)。

図3●記録された体重データのイメージ
図3●記録された体重データのイメージ
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 将来は、針を使ったアナログ式体重計への対応や、家族のデータを識別して保存する仕組みなども考えたいです。