天気予報などでは、「1時間に20mmの強い雨が降るでしょう」というように、「1時間雨量」で雨の強さを表現します。予報用語では「20~30mm」が「強い雨」です。しかし、ミリ単位で言われて実際に雨量を思い浮かべられる人はほとんどいないでしょう。「強い雨」の基準も人によって違います。「ぽつぽつ」「しとしと」「ざあざあ」といったオノマトペ(擬声語)で表現された方が分かりやすくはないでしょうか。

 そこで、雨量と雨音を自動的に記録してWebで確認できるシステムをRaspberry Piで作るアイデアを考えました。

 雨音は、屋外に設置した傘に収音マイクを付けて、USB経由でRaspberry Piで記録します。雨量は、測定用の枡にたまった水量を超音波センサーで計ります。こちらはRaspbery PiのGPIOにつなぎます(図1)。

図1●雨量を計り、雨音を録音するシステム
図1●雨量を計り、雨音を録音するシステム
イラストは山崎氏による。
[画像のクリックで拡大表示]

 こうして、雨量と雨音を5分に1回記録して、Webサイトにアップロードします。数値だけだと読みにくいので、雨量と雨音音量の折れ線グラフにします。

 さらに、この雨量データを見た人がグラフをクリックしたときに、そのポイントの雨音を再生して聴けるようにします。聴いた人には、「その音がどのように聴こえたか」を「しょぼしょぼ」「しとしと」「ぽつぽつ」「ざあざあ」などの選択肢から選んで投票してもらいます。しばらくすると、「今日の雨は『しとしと』と感じている人が一番多い」といったデータが集まるはずです。

 現在、USBマイク(バッファローのBS HSM05BK)と超音波距離センサー(HC-SR04)を組み合わせて、開発を始めています。雨量を計る枡がいっぱいになったときに、自動的に排水する仕組みを考えるのが、目下の課題です。