日常生活のちょっとした作業をRaspberry Piで自動化していきたい。そんな思いで2年をかけて拡充してきたシステムが「進化し続ける我が家の『IoT』」です。各種センサーや表示装置を家中に置き、ひと目で確認できるようにしました(図1)。種別ごとのゴミ出し日の通知、気象条件に応じた携帯電話などへのアラーム、ライブカメラによるペット見守り、赤外線リモコンによるテレビの制御など、さまざまな機能を実現しています。コンテストの審査会議では、「ホビーの電子工作でやってみたい、ほとんどすべての要素が入っている」と評価されました。

図1●準グランプリの「進化し続ける我が家の『IoT』」
図1●準グランプリの「進化し続ける我が家の『IoT』」
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 2014年夏からシステムを徐々に拡張させて、Raspberry Piは2台に増えました。60歳を超えてから初めてLinuxに挑戦して製作した作品です。

ゴミ収集日をメールで繰り返し通知

 最初に実装したのが、ゴミ収集日の通知器でした。燃えるゴミや、ペットボトル、金属類、ガラス類など、種別ごとに収集日が異なるため、種類ごとにLEDの色を変えて点灯させます(図2(1))。

 携帯メールで通知する機能も付けました。住んでいるマンションのルールで、ゴミは前日の午後4時から出すことができるため、その時刻以降、1時間ごとに小助川さんの携帯電話に通知メールを送ります。小助川さんは帰宅前に、ゴミをまとめておくように家族に伝え、帰宅時にゴミを集積場へ運びます。おかげでゴミ出しを忘れることは全くなくなりました。ゴミを捨てたらボタンを押してLEDを消せます(図2(2))。

図2●ゴミ収集日をLEDで通知する
図2●ゴミ収集日をLEDで通知する
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 電子工作の経験は長いものの、Linuxを使うのは初めてで、コマンドを一つずつ確認しながら作っていきました。収集日を確認してメールを出したりする機能は「cron」で実現しました。リモートデスクトップとWindowsファイル共有の機能は頑張って動かし、手慣れたWindowsからなるべく操作できるようにしました。

 同時に進めたのが、自宅内のライブカメラシステムで、これは思ったより簡単に実現できました。趣味の電子工作にはあまり好意的ではなかった家族にも、ペットを外出時に見守れるこのシステムは非常に好評でした。