準グランプリの1件目は、アイロンビーズ自動配置マシン「アイロンビーズセッター」です(図1)。

図1●準グランプリの「アイロンビーズセッター」(アイロンビーズ自動配置マシン)
図1●準グランプリの「アイロンビーズセッター」(アイロンビーズ自動配置マシン)
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 アイロンビーズは、パイプ状のビーズを専用のプレートに並べて絵柄を作り、アイロンを当てて熱でくっ付けてアクセサリーなどにするものです。色とりどりのビーズを並べるのに手間がかかりますが、そこを今回の作品で自動化します。

 専用のビーズ供給ポットには、いろんな色のビーズを無造作に入れておきます。そのポットから供給ポイントへビーズを送ったときに、色センサーモジュールで色を判別してRaspberry Piに送ります。Raspberry Piは、供給されたビーズを持ち上げてビーズ台まで動かすセッターに指示を送ります。セッターは、ビーズの色に合わせてプレートの所定の位置に移動させます。要らない色だった場合は、別の場所に捨てます。

 ビーズ供給ポットやセッターのモーターは専用のマイコン基板などで制御し、Raspberry Piからはコマンドなどで指示します。Raspberry PiではWindows 10 IoT Coreを動かしています。

シャーペンのペン先でつかむ

 今回のシステムは大きく「Webアプリ」「フィーダー」「セッター」という三つのパーツから成ります。

 作成したいアイロンビーズのパターンは、Webブラウザー上のアプリで作ります(図1下)。JavaSciptで実装しているので、Raspberry PiでもPCでも、ブラウザーが動くマシンなら同じように動きます。

 入力したパターンは、米Microsoft社のクラウドサービス「Azure」のストレージに保存されます。全体を制御するRaspberry Piがこのデータをダウンロードします。

 ビーズ供給ポットからビーズを供給するフィーダーは、決められたフィードポイントに1個ずつセットします(図2)。フィーダーはArduinoというマイコンボードで制御していて、Raspberry Piから指令で動作します。フィーダーには色センサーモジュールを取り付けていて、これでフィードポイントにセットしたビーズの色をRaspberry Piに伝えます(図3)。

図2●ビーズを供給するフィーダー
図2●ビーズを供給するフィーダー
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図3●色センサーモジュール
図3●色センサーモジュール
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