「土佐打ち刃物」は高知県を代表する特産品の一つです。何年もの経験を得た職人が時間をかけなければ、製造できません。現在、土佐打ち刃物を製造する人が減少し、高齢化が進んでいます。

 土佐打ち刃物の製造工程はいくつかに分かれていて、Raspberry Piで荒延し・鍛造と刃付けの工程を支援しようと試みました。

 荒延し・鍛造で使う窯は温度を1000度に保つ必要があり、Raspberry Piでの制御を試みました。専用の機器は高価なためサーモグラフィーカメラを用意しましたが、今回選んだカメラではうまく測定できませんでした。

 刃付けには油と水を使います。水は40度に保つのがよく、60度になると水を増やしたり入れ替えたりします。この水温測定にRaspberry Piを使いました。図1の右上からコードを引いて、Raspberry Piをつないだサーモグラフィーカメラで測定します。40度になると音が3回鳴ります。60度を10回超えると音が鳴り続けます。今回は水道水で冷やすまでの自動化はできませんでしたが、十分可能です。

図1●刃付けの工程で使う水の温度をサーモグラフィーカメラで監視
図1●刃付けの工程で使う水の温度をサーモグラフィーカメラで監視
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