ヘッドホン単体で音楽が聴ける、携帯型音楽プレーヤーです。ヘッドホンにラズパイとリチウムイオン電池を搭載しています(図1)。スイッチ類はシンプルで電源ボタンのオン/オフボタンしかありません。このボタンを押すとラズパイはバッテリーで動き出し、再生が始まります。

図1●ヘッドホンに加速度センサーとラズパイ、バッテリーを搭載
図1●ヘッドホンに加速度センサーとラズパイ、バッテリーを搭載
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 ラズパイには加速度センサーが備わっているため、ユーザーが聴いているときの「ノリの良さ」を定量的に測れます。曲が流れている間に計測されたデータをラズパイで処理します。流れている音楽のリズムと加速度に相関があるようなら再生を継続し、なければフェードアウトして次の曲を探します(図2)。

図2●ノリノリで音楽を聞くと、加速度データと音楽データ(青と緑の線)に相関が生じる
図2●ノリノリで音楽を聞くと、加速度データと音楽データ(青と緑の線)に相関が生じる
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 我々、TOKYOCOMは作曲サークルで、その経験の中で現在の音楽業界のあり方に危機感を持っています。iPodの登場で音楽を聞く人は一時増えましたが、スマホは音楽を聞く道具ではありません。音楽を聞くためのもっと適したデバイスを追求し、これからも小型化やサーバー側の選曲システムなどの改良に取り組むつもりです。