米Qualcommは2017年1月3日(米国時間)、スマートフォン向けの最新SoC(System on a Chip)「Snapdragon 835」を発表した(写真1)。10nmの製造プロセスを採用した8コアのプロセッサで、現行の「Snapdragon 820」と比較してパッケージサイズが35%減、消費電力が25%減となった。2017年前半に発売となるスマホから採用される予定。

写真1●Qualcommの記者会見の模様
写真1●Qualcommの記者会見の模様
[画像のクリックで拡大表示]

 Qualcommは「CES 2017」に先立つ記者会見でSnapdragon 835を発表した。子会社のQualcomm Technologiesでプロダクトマネジメント担当SVPを務めるKeith Kressin氏は、同プロセッサを採用した初めての製品が、米ODGが販売するAR(拡張現実)/VR(仮想現実)対応スマートグラスの「R-8」と「R-9」になることを明かした(写真2)。

米ODGが販売するAR(拡張現実)/VR(仮想現実)対応スマートグラスの「R-8」
米ODGが販売するAR(拡張現実)/VR(仮想現実)対応スマートグラスの「R-8」
[画像のクリックで拡大表示]

 Snapdragon 835は小型化と省電力化に加えて、AR/VRで要となるGPU性能をSnapdragon 820と比べて25%向上させており、AR/VR端末への搭載に適しているとQualcommはアピールしている。GoogleのモバイルAR技術「Daydream」にも対応している。

 Kressin氏はまた、Snapdragon 835で機械学習向けの機能も強化したと主張した。Kressin氏が機械学習、特にディープラーニング用途に推すのはSnapdragonが搭載する「DSP(Digital Signal Processor)」。Kressin氏は「ディープラーニングを実行する上ではCPUやGPUよりも、DSPを使うのが最も効率的だ」と述べ、Spandragon 835のDSPである「Hexagon 682 DSP」が、ディープラーニングフレームワークとして従来の「Caffe」に加えて、「TensorFlow」にも対応したことを明かした。