検証1 負荷増への柔軟性
CLBと同じスケールの挙動 性能はやや劣るが大差なし

 まずは、ALBとCLBで、負荷増大時の性能やスケーリング挙動がどう違うのかを調べる。

 静的コンテンツを表示するWebサーバーに対して、同一VPC内のクライアントからの1秒間アクセス数を段階的に変えて応答時間を測定。スケーリング発生の多重度など、ALBとCLBの挙動の違いを調べる。

 検証環境は、Webサーバーが性能ボトルネックにならないよう、1台で1秒間の500多重アクセスに10ミリ秒以内で応答できるEC2インスタンス(c4.xlarge)を2台用いる(図2)。

図2●検証1の環境
図2●検証1の環境
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 ALB、CLBともスケーリングの仕組みは公開されていないが、各テストケース実施前と実施後にnslookupコマンドを実行し、ALBおよびCLBの状態を監視。IPアドレスが変更された場合はスケールアップ、IPアドレスが増えた場合はスケールアウトが発生したとみなす。

1秒間500アクセスでスケール

 検証の結果、1秒間200アクセスまでは、ALB、CLBともほぼ10ミリ秒以内の応答時間だった。同じ環境でWebサーバーに直接アクセスしたときの応答時間は4ミリ秒なので、ボトルネックはほとんど発生していない。