2016年9月~12月におけるAI/機械学習分野の記事では、改めて「人工知能(AI)とは何か」を問い直し、ゼロから学習する記事がよく読まれた。2012年頃に始まった第3次AIブームの過熱感が高まる中、人工知能を冷静に捉え直したいというニーズを反映したものと言えそうだ。
最もよく読まれたのは、連載「人工知能のつくりかた」第4回の「その昔、人工知能は『人工無能』だった」。人工知能の歴史を、1600年代に登場した「機械論」から説き起こし、人工知能という言葉が初めて登場した1956年のダートマス会議、人間の会話を模倣する「人工無能(人工無脳)」の登場、第1次AIブームの終焉までを解説した。
本連載の記事は、他にも「機械学習や深層学習ばかりが人工知能じゃない」、「人工知能プログラムと普通のプログラムは何が違う? 」、「人工知能にだって向く仕事、向かない仕事がある」などがよく読まれた。
続いてランキングの2位になったのが、「スタンフォードが予測する『2030年のAI』はディストピアではないが怖い」だ。米スタンフォード大学が2016年9月に公開した、AIが社会に与える影響を調査したレポートを紹介したもの。ハリウッド映画が描くような「AIが人類の脅威になる」という話はフィクションに過ぎないが、AIは長期的に、企業や社会の形態に大きな影響を与えるという。
5位は、連載「これからでも遅くない、こっそり学ぶディープラーニング」の第1回「そもそもディープラーニングとは一体何なのか」である。2016年は、ディープラーニングを活用した囲碁AIがプロ棋士に圧勝するなど、ディープラーニングが社会に大きなインパクトを与えた年だった。改めて技術の基本を学びたいとする読者が多かったようだ。