モバイル分野の2016年は、やはり「格安SIM」の記事がよく読まれた。ランキング1位の「『最安値格安SIM』でもっともお得なのはどれか」。格安SIMを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)が値下げ競争に明け暮れた2016年を代表する記事と言えるだろう。トップ10にはこのほか、「無線LANをタダで使える格安SIMはどれがいいのか」と、「上位に異変!格安SIMの速度測定ランキング[16年夏]」の2本が入った。
格安SIM人気に呼応する形で、「SIM(ロック)フリー」の記事も関心が高かった。「SIMフリーiPhone 7に狙いを定めるも予約合戦に出遅れる」「『SIMフリーiPhone』に合う格安SIMおすすめ6選」「テザリングもモバイルルーターも不要!これからはSIMフリーPCだ」の3本がランキング入りした。これまで格安SIMの端末と言えば、スマートフォンかタブレット端末だったが、マイクロソフトの「Surface 3」が火を付けた格好で、モバイルPCも魅力的な選択肢となってきた。
今回のランキングで異彩を放つのは第5位の「iPhone新機種を直撃、携帯電話業界に『最後通告』を出した公取委の真意」。自由競争市場の番人である公正取引委員会(公取委)が2016年8月、「特定のブランドがシェアの過半を占める世界でも特殊的な市場」として携帯電話の端末市場を問題視。明記こそしていないものの、標的が米アップルのiPhoneの販売方法であることは明らかであり、その裏側を解説した記事だ。
それほどまでに日本ではiPhoneの人気が高い。今回のランキングを見ても、「iPhone SEがやってきた、人気沸騰『小さめ端末』の実力は」「狙い目モデルはどれ? iPhone 7や6sを安く買う方法」「iPhone 7を買ったので格安SIMへ乗り換えた【実録】」の各記事が入っている。同じくアップルのiPadの記事も好評で、「iPad Proを購入したらWindowsパソコンの出番が激減した」「iPad Proはやはりノートパソコンを上回っていた」が上位に付けた。この結果、iPhone/iPad関連記事はランキング20本のうち8本を占めた。対象をアップル関連まで広げると10本がランクイン。2016年モバイルランキングも特定のブランドがシェアの半分を占める結果となった。
さて、2017年はiPhoneが登場してから10年目の節目に当たる。「iPhoneの次」がランキングをにぎわすような年になってほしい。