プロジェクトマネジャー、システムエンジニア、ネットワークエンジニア、セキュリティエンジニアなど「ITエンジニア」のスキルアップに関連する情報を提供する「ITproスキルアップ」。変化が激しいと言われるIT業界の中にあって、基本的なスキルや定番技術に関する記事、ヒューマンスキル系のコミュニケーション能力などを問う普遍的な記事に人気が集まった。
例えば、ITエンジニアの“コアスキル”ともいえる「基本設計」に関する「Part1 今こそ「基本設計」のスキルを見直す」、「Part2 設計手順の基本を身に付ける」がそれぞれ上位に。記事自体は10年近く前のものだが、基本設計は当時から変わらぬITエンジニアの必須スキルであり、その基礎的な方法論の理解を促す記事は流行に左右されることなく引き続き求められているようだ。
定番技術という点では、Webアクセス時の「セッション管理」の仕組みなどを解説した「ステップ1 [基本のしくみ] Webブラウザに情報を預けて,アクセス時に送信させる」や、HTTPのやりとりの手順や内容への理解を促す「Webアクセスの基本(2)」がよく読まれた。はやりすたりのないベーシックな技術への理解が重要であることを物語っている。
質問のテクニックやメールの書き方といった普遍的なヒューマンスキル系の記事も好評だった。「謝りたくないときの謝罪方法」、「相手を怒らせるメールの書き方」、「『実はね……』。相手が本音を語りたくなる、三つの質問テクニック 」、「メールで伝えたつもりが一番怖い」、「『返信は結構です』ってやめませんか?」などがそうだ。相手の要望を聞き出し、それを第三者に伝えるテクニックはITエンジニアにとっても不可欠のスキルであり、時代を問わず人気を集めている。
2016年ならではの記事として目を引くのが、今春から始まった「情報セキュリティマネジメント試験」に関する記事である「なんと88%!?新試験『情報セキュリティマネジメント』の合格率」。情報セキュリティマネジメント試験は、経済産業省所管の国家試験「情報処理技術者試験」の新たな試験区分であり、ITエンジニアの注目は高かったようだ。
そのほか、ITエンジニアに限ったスキルではないが、情報リテラシー関連、とりわけオフィスソフトの使い方に関する記事は通年で人気があった。「Excelのデータを自動で『人』『百万円』『千台』などの単位で表示する」、「表の縦横を一発で入れ替えるには 」と、表計算ソフトのTips記事がランクインした。