富士通が、ハードウエア事業の切り離しを中心に、企業構造の改革を加速させている。国内がシステムインテグレーション(SI)特需に沸く状況を構造改革のチャンスと捉え、SI中心のテクノロジーソリューションセグメントに経営資源を集中させる考え。人工知能やIoT(インターネット・オブ・シングズ)を活用したデジタルサービス事業の拡大と、海外市場での成長を狙う。富士通が挑む変革の実像を探る。
連載
正念場の富士通
目次
-
「改革はまだ3合目」、富士通田中社長
急ピッチで構造改革を進める富士通。デジタルサービスに注力する狙いで、コア事業と非コア事業を選別して切り離しを進めるなど、事業構造にテコ入れを図っている。従来型のSIに長らく適合した従業員、組織、技術基盤を組み替えられるのか。
-
富士通はクラウドで勝負できるのか
富士通が掲げるデジタルサービスの提供基盤はクラウドだ。しかし現状、自社製クラウド「K5」はAWSなどの海外勢に出遅れている。富士通が勝負するのはIaaSではなく、その上のSIだ。
-
富士通、デジタル変革への道のり険し
「10年取り組んだとしても成功するかはわからない」。事業のデジタル変革に取り組む顧客からはこうした声が漏れる、富士通が注力するデジタルサービスを成長させるには、市場を開拓、成長させるための長期的な戦略と投資が必要になりそうだ。
-
海外市場の変化に乗り遅れた富士通、「デジタルサービス」に活路
2016年4月~9月期の海外事業は円高に悩まされた富士通。しかし、「為替の影響を除いても成長しているとは言えない」という。国内のIT市場が成熟しつつある今、海外市場での成長が命運を握りそうだ。
-
「富士通が必要とされなくなる」という恐怖
田中社長の経営方針のもと、AIやIoT、クラウドなどを駆使したデジタルサービスを強化する富士通。「顧客のデジタル化を支援できなければ、富士通が必要とされなくなる」。香川進吾執行役員専務はこう危機感をあらわにする。
-
富士通、利益率10%へのラストチャンス
田中社長が経営方針を発表してから約1年の経営方針説明会。「営業利益率5%が見えてきた」と説明したが、まだ改革の成果は見えていない。業績は伸び悩んではいるものの、国内はSI特需に沸いている。2020年をめどに従来型のIT投資がピークアウトする前に今、改革を進めるしかない。
日経クロステック Special
What's New
経営
- 「クラウド時代のあるべき運用」を熱く議論
- 大企業にもキントーンの導入が進む理由
- 製造業DX「データドリブン経営成功のシナリオとは」
- NTTドコモ支援の実践型教育プログラム
- ジェイテクトエレクトロニクスのDX事例
- DXを成功に導くITインフラとは?
- NTTデータに優秀なデジタル人財が集まる理由
- オリックス銀行×富士通時田社長 特別鼎談
- ERPプロジェクト≫IT人財の必須条件は
- 脱レガシー案件≫SIerに必要な人財像は
- イノベーションの起爆剤
- 3段階で考える、DXで企業力を高める方法
- 大規模プロジェクトでPMが注意すべき点は
- 大阪・名古屋エリアのDXが注目される理由
- 力点は「未来予測」へ:データ利活用の勘所
- 生成AI活用でSAP BTPの価値が進化
- ServiceNowでDXを加速≫方法は
- SAPプロジェクトの全体像をいかに描くか
- データドリブン基盤でCFP算出作業を短縮