「為替の影響を除いても、海外事業は成長しているとは言えない。市場環境は厳しい」。財務の立場から富士通の海外事業を見ている富士通の川又陽 財務経理本部 グローバルファイナンス・マネジメント統括部 統括部長はこう語る。

 富士通の田中達也社長は、「海外売上高比率50%以上」を任期中の連結業績目標に掲げている。

 だが、50%への道は険しい。2016年4月~9月期の国内・海外連結売上高は、前年同期比1562億円減の2兆850億円。このうち海外売上高の比率は37.7%で、前年同期に比べて4ポイント減った。円高の進行が主因だが、それを差し引いても海外事業は各セグメントで低調だ。

富士通の海外売上高比率の推移。2015年3月期からIFRS(国際会計基準)を適用。富士通データブック2016年7月を基に編集部が作成
富士通の海外売上高比率の推移。2015年3月期からIFRS(国際会計基準)を適用。富士通データブック2016年7月を基に編集部が作成
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