コンサルティング力を武器に、金融や流通といった業界で多くの顧客を獲得し、さらに高い利益率を上げている野村総合研究所。そんな同社の課題とは。

(聞き手は戸川 尚樹=ITpro編集長、編集は井原 敏宏=日経クラウドファースト)


 コンサルティング能力の高さや提案力を武器に、ここまで成長を遂げてきたということですが、課題は何ですか。

 我々自身の生産性を、もっと上げていくことです。特に「コーポレートIT」の領域で、お客様は既存システムの運用・保守費を下げたいこともあり、さらなる効率化を求めています。我々は必死に取り組み、この要望に応えなければなりません。

野村総合研究所 代表取締役社長 此本臣吾氏
野村総合研究所 代表取締役社長 此本臣吾氏
(撮影=陶山 勉、以下同じ)
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 これから注力する「ビジネスIT」の領域についての課題は、失敗のリスクを覚悟しなければならないことです。ビジネスITのところは、成功すれば大きな果実を得られますが、お客様側で変革ができなかったという結果になる可能性は少なくないわけです。コーポレートITの領域は、投資金額や要件を見通せますが、ビジネスITのところはそうもいきませんから。

 ビジネスITの領域で、そのようなリスクを低減するための方策はあるのですか。

 少々、不遜な言い方になるかもしれませんが、変革できる能力を備えたお客様としっかりとしたお付き合いをしたいと思っています。

 ビジネスITに関連する事業については、2~3年ぐらいは大きな成果が出ないかもしれませんが、中長期的に大きな収益源にしていきたいと考えています。