NECは2017年春にも役員の人事異動を実施するもようだ。全社の“文化革命”のスピードを高めるための新経営体制の姿とは。

(聞き手は戸川 尚樹=ITpro編集長、編集は岡田 薫=日経コンピュータ)


近々明らかになるであろう2017年4月の役員人事に注目しています。新野カラーをどのようにして打ち出すのでしょうか。

 今、そのことで毎日、悩んでいますよ(苦笑)。ここ数カ月、最も頭をひねっていることです。まあ遅くとも2017年2月までには決めないといけません。

 「私が何を大事に考えているのか」「この会社は本当に変わるんだ」といったメッセージが分かりやすく伝わるような布陣にしなければなりません。役員の若返りも、必要だと思っています。

派閥は壊すのでしょうか。

 昔と違って、幹部の派閥人事などもうありませんよ。少なくとも今の経営陣にはない。私が社長に就任したこと自体、NECには派閥がないということです。

 そもそも派閥がどうこうなどと言っている余裕はありません。役員にはビジネスユニットの責任者というだけでなく、当社のトップマネジメントとしての意識を持ってもらわないといけませんし、社長である私と同じ目線で物事を見る癖も身に付けてほしいと考えています。執行役員や事業部長も同じです。

新たな役員はどのような基準で選ぶのですか。

 基準がありすぎて、困っています(苦笑)。色々と考えている最中ですので、この件に関しては“霧の中”ということで。

(撮影:村田 和聡、以下同じ)
(撮影:村田 和聡、以下同じ)
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アメフトに例えるならディフェンスがほしい

新野さんは、学生時代にアメリカンフットボールの選手をされていました。アメフトでは一つのチームで、オフェンス(攻撃)を担当する11人とディフェンス(守備)を担当する11人がそれぞれ固定したポジションをこなします。これに例えると、NECではどんなポジションの人材が足りないのでしょうか。

 アメフトのポジションで必要な人材を例えるのは難しいですねえ。アメフトのオフェンス担当は、プレーが完全に最初から決まっていて、その通りにきっちりやることが求められます。作戦通りに皆が動くことで、待ち構えるディフェンスのブロックやタックルをかわして、タッチダウン(得点)を目指します。