SAPジャパンの強みとして福田譲社長が挙げた「人」と「グローバル」とは一体どのようなことなのか。

(聞き手は戸川 尚樹=ITpro編集長、編集は山崎 洋一=日経コンピュータ)

SAPの強みとして、「人」と「グローバル」を挙げています。この意味を教えてください。

 「人」に関しては、“変革偏差値”の高い人材を数多く抱えているということです。我々の仕事は、お客様が本当にやりたいことをしっかりと理解したうえで、変革のお手伝いをすることです。そうした仕事をしたいという人材がSAPには数多く集まっている、と自負しています。

 三つめのグローバルについてはあまり説明する必要もないと思いますが、世界でビジネスを展開しているSAPの力をお客様に提供できるということです。

(撮影:陶山 勉、以下同じ)
(撮影:陶山 勉、以下同じ)
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 グローバル化に関しては、お客様のほうの変化を感じます。日本語の資料を持っていくと、お怒りになるお客様が出てきたのです。「翻訳する暇があるなら、英語のままでいいのでさっさと資料を持ってきてほしい」とあるお客様から指摘されました。

海外の最新情報をできるだけ早く入手して、迅速にアクションしたいという顧客企業が増えているわけですね。

 はい。つい最近だと、「営業担当者を外国人にしてほしい」と日本の上場企業の方に言われました。このお客様は、海外売上高比率が全体の大半を占めている会社で、海外で活躍できる営業担当者、イコール日本人でなくてもいいよ、ということでした。こうした要請を受けたのは初めてです。こちらは「グローバルの経験が豊富でなくても、日本人のほうがいいかな」と思っていたら、そうではありませんでした。お客様は「日本人でなくても構わないので、ベストなタレントを担当者にしてほしい」ということです。

グローバル化やデジタル化に真剣に取り組む顧客企業が着実に増えているようです。そうしたニーズに対応できるよう、御社も変革を進めているのですか。

 はい。私が2年半前の2014年に社長に着任したとき、「日本が必要とするグローバルタレントを日本法人に転勤させる」と宣言しました。そのとおり、電力、ガス、自動車といった業界に精通した従業員をこちらに集めました。「自動車業界担当の20年選手」といった人材にも転勤してもらい、活躍してくれています。2017年以降も、このほかの業界に詳しい人材を増やそうと考えています。