日本オラクルの杉原博茂 代表執行役社長 兼 CEO(最高経営責任者)のインタビューの最終回。日本オラクルの課題と解決策について聞いた。

(聞き手は戸川 尚樹=ITpro編集長、編集は島田 優子=日経SYSTEMS)


データベース事業についてお聞きします。2015年から2016年にかけて、値上げしたり、ライセンス体系を変更したりしました。特に値上げについては、顧客企業から不満の声が出ています。

 私が2014年に日本オラクルの社長に就任したとき、北海道から九州・沖縄まで主要なお客様のところに直接、会いに行きました。そこで私のほうから、「オラクルのこと好きですか?嫌いですよね?」と聞いて回りました。自分の会社のことを嫌いでしょう、なんて質問を突然したため、多くの方々が面食らっていました。

 質問の結果はというと、7割以上の方々から「好きじゃない」と言われました。なかには、はっきりと「嫌い」と言う方もいましたよ(苦笑)。

(撮影:陶山 勉、以下同じ)
(撮影:陶山 勉、以下同じ)
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好きではない理由は、お金ではない

 好きではない理由を尋ねると、ほとんどがお金の問題ではないことが分かりました。「オラクルの営業担当者は製品を売りたいときだけやって来る。売れたら来ない。そのことに腹が立つ」と言われました。

製品の料金がどうこうという話ではないということですか。

 ほとんどのお客さんがそういうことなのです。こうした指摘をしていただき、その場で「はい。ありがとうございます。今後は何度でも御社に伺わせていただきます」と伝えました。