売上高4000億円でITサービス業界5位につける伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)。2012年6月に社長に就任してから6年目に突入した菊地哲社長に、これまで力を入れてきたこと、これから強化することについて本音で語ってもらった。
社長に就任してから6年目に突入しました。
次の社長がどうだとか人事に関する質問は勘弁してください(笑)。これまで社長になってからの5年を振り返ると、「一難去ってまた一難」という状況がずっと続いています。
うれしい、悲しいなど気にしている暇がなく、次々と面倒なことが起きる。それを毅然とこなす。そんな日々です。それはさておき、仕上げに取り掛かる段階にきたなあという思いです。
私はとにかく、様々なことを整理整頓してから次にバトンタッチしたい。自分が社長に就任したときには、係争案件があったり、あちこちでゴタゴタがあったりしましたが、そういったことがない状態にしてから交代したいと思っています。
そのためには、遠慮せず言うべきことを言い、やるべきことを着実に進めることが大切です。遠慮ばかりしていると、よろしくない物事が徐々に溜まってしまいますからね。
例えば、不採算案件については、ごまかしがきかないよう、誰が見てもきっちりと分かるように透明性を高めました。とにかく、「変なことはしない」ということを常に意識してやってきました。
「この会社は4年間で非常に良い状態になりました」。昨年、優秀で口うるさい監査役が退任の挨拶でこう言ってくれた。自分のやってきたことに一定の成果はあったのだろう、と素直にうれしかったです。