流通業界に強みを持つ日本テラデータだが、状況は変わってきた。日本テラデータの吉川幸彦社長が今最も注目している業界とは。

(聞き手は戸川 尚樹=ITpro編集長、編集は清嶋 直樹=日経コンピュータ)

最近、引き合いの強い業界はどこですか。

 自動車業界です。日本テラデータにとっては、これまであまり付き合いのなかった業界ですが、状況が一気に変わってきました。

日本テラデータ 代表取締役社長 吉川幸彦氏
日本テラデータ 代表取締役社長 吉川幸彦氏
(撮影:陶山 勉、以下同じ)

 コネクテッドカー(つながるクルマ)の時代をにらみ、自動車業界の会社が収集・分析対象とするデータが膨大になってきました。それらを分析したいというニーズが高まっているのです。近いうちに、具体的な事例について発表できればと考えています。

これまでは流通業界の顧客企業が中心でした。

 はい。公表されている代表的なお客様としては三越伊勢丹ホールディングスさんや、大丸松坂屋百貨店さんなどがあります。日本テラデータとしては、この業界での高いシェアを維持したいところですが、気は抜けません。

 いずれの会社も、少子高齢化やライフスタイルの変化、ネット通販の台頭などによって、変革期を迎えています。データ分析という切り口で、何か一つでも既存の顧客企業が元気になるようなお手伝いをしなければならない、と考えています。

自動車業界と流通業界を特に注視し、強化していくわけですね。技術として今、注目しているものは。

 オープンソースソフトウエア(OSS)です。テラデータが提供するアナリティクス関連ソフトとしては、OSSとの連携がますます重要になると考えているからです。特に、大規模分散データ処理ソフト「Apache Hadoop」には注目しています。