これがSlack活用の現場
サーバーワークスでは、社内のプロジェクトメンバー間のコミュニケーション手段として、SaaS型チャットツール「Slack」を導入した。現在、社内のコミュニケーションはすべてSlack上で行っている。
Slack以前は、別のチャットツールを使っており、その前はメールだった。プロジェクト内コミュニケーションにはメールよりもチャットツールが向くと考え、チャットツールの中ではSlackがベストであると判断した。以下では、Slackの特徴や活用法を説明しよう。
SlackはIT現場にこそ向く
サーバーワークスで本格的にチャットツールを使い始めたのは2011年以降。東日本大震災で在宅勤務が必要になったのがきっかけだ。チャットツールを使うと、オフィスと同じような感覚で働けることに多くの社員が気付いた。チャットツール自体は2006年から部分的に使っていたが、メインのコミュニケーションツールではなかった。
2011年にSlackとは別のチャットツールを導入したが、活用が進むとツールの使い勝手に不満が出るようになった。そこで2014年、生産性と業務効率の向上を目指してチャットツールを再選定した。さまざまなチャットツールを検証した結果、Slackにたどり着いた(表1)。評価で決め手となったのは「ユーザビリティー」と「外部サービス連携」だった。
ユーザビリティーの観点では、エンジニアと非エンジニアの両方が操作しやすいことを重視した。チャットをメイン手段にする以上、使いにくいと話にならない。エンジニアはキーボード操作を好むため、キーボードショートカットが充実しているツールの方が使いやすいと感じる傾向が強い。一方、非エンジニアは分かりやすいGUIであることを重視する。Slackは両方のニーズを満たすUIを備えていた。
外部サービス連携の観点では、開発・運用ツールなどチャットツール以外のサービスと連携できる機能の充実度を重視した。連携の一例としては、グループウエアの予定をチャットツールに通知する機能がある。
サーバーワークスはさまざまなクラウドサービスを利用し、技術や営業、サポートの現場が効率化されるように工夫してきた。ただ、複数のクラウドサービスを採用した結果、情報や通知が分断されるという問題が生じていた。情報が受け手に正しく伝わらなかったり、見落としがあったりして、間違った情報を基に業務を進めてしまうトラブルもあった。
複数のクラウドサービスの情報や通知を、コミュニケーション手段の中心となるチャットツールにまとめ、上記の課題を解決する狙いもあった。Slackは他のクラウドサービスとの連携機能を豊富に搭載しており、連携の設定はGUIで簡単に行える。
つまり、多くのユーザーが使いやすく、さまざまなサービスやツールと連携して利用できることがSlack導入の決定打となったわけだ。