バーチャルリアリティ(VR)技術の普及は、ゲーム分野が先行するがそれだけではない。医療や報道、スポーツなどの分野で既に活用が期待されており、それらのビジネスを変革しそうだ。VR技術の開発者や、ビジネスの拡大を目指す企業が集い、VR活用の可能性について議論した。グリーと一般社団法VRコンソーシアムが11月26日に共同で開催したイベント「Japan VR Summit 2」での一幕だ。

 VRを使ったゲームや映像、配信サービスを手掛けるベンダーが複数の討論に登壇。VRを中心としたビジネスや、市場の動向などについて熱く議論を交わした。午後には、ゲーム以外のVRやAR(拡張現実)の活用について討論するパネルディスカッションが開かれた。題目は「VR/ARはゲーム/エンタメから各産業へ花開く」である。

午後に開かれたパネルディスカッションの様子
午後に開かれたパネルディスカッションの様子
[画像のクリックで拡大表示]

 登壇したのは、次の4人。まず、ゲーム開発環境「Unity」を提供するユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの大前広樹日本担当ディレクターだ。ゲーム機向け開発環境の設計、開発やミドルウエアなどの導入経験が豊富だ。

 VR映像や360度動画などの配信サービスを手掛ける米リトル・スター・メディアの創業者でCEO(最高経営責任者)を務めるのがトニー・マガベロ氏。ソニー・ミュージックエンタテインメントと提携し、9月からスマートフォンのアプリケーションでVR映像を見られるサービスを提供している。

 「好きなポケモンはカビゴン」と、自己紹介したのは米ナイアンティックの野村達雄ポケモンGOゲームディレクター。米グーグルで地図サービス「Google Maps」関連のエンジニアとして約4年間活躍した後、2015年当時は社内ベンチャーだったナイアンティックに参画した。

 コロプラの馬場功淳代表取締役社長は、自社でVR向けゲームを開発するだけでなく、投資活動にも積極的だ。2015年12月には投資ファンドの「コロプラネクスト2号ファンド投資事業組合(以下「Colopl VR Fund」)」を設立した。「ファンドとしての規模は、総額100億円ほど」と話す。

 司会はVR専門の情報発信サイト「Mogura VR」を運営する企業「Mogura」の久保田瞬代表取締役 Mogura VR編集長が務めた。