ITエンジニアがずっと一線で活躍するのは難しいと言われている。「ずっと現場に出ていきたい」と考え、長年の経験を生かして新しい職種に転換したのが、日本リミニストリートのサービスデリバリー部でシニアサポートエンジニアを務める井上 有美子氏だ。

写真●日本リミニストリートの井上有美子氏
写真●日本リミニストリートの井上有美子氏
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 井上氏の業務は、複数企業のERPの運用・保守を支援すること。「今は国内企業に限らず、米国やアジア企業が導入しているERPをサポートしている」と井上氏は話す。

 井上氏の所属する日本リミニストリートは「第3者保守」というサービスを提供している。第3者保守は、製品ベンダーの保守の代わりに、専業ベンダーが低価格で保守を提供するサービスのこと。米国では複数社が参入している領域であり、日本リミニストリートも米国企業の日本支社だ。

 ベンダーに代わってサポートを提供するため、日本リミニストリートの採用条件は、「ERP導入の経験が10年以上」となっている。井上氏は現在、「Oracle E-Business Suite(EBS)」の担当をしているが、これまでOracle EBSだけではなくSAP ERPやJD Edwardsなど複数のERPのコンサルタントを、複数の企業で経験してきた。

経験のアウトプットを考える

 「30歳代、40歳代は一線のコンサルタントとして働けるかもしれないが、その先はどうなるのか。こう考えた際に、自らの経験が生きる職種として今の会社を選んだ」と井上氏は話す。「40歳位まではインプットの時期だが、それ以降は自らの経験をアウトプットしていきたい」。井上氏は今の会社に移る際にこう考え、若手を教育する職なども選択肢として考えたという。

 だが最終的に「顧客が好きなので、ずっと一線で活躍したい」との思いで、日本リミニストリートを選んだ。日本リミニストリートに移ったきっかけは、かつての同僚から誘いを受けたことだった。

 井上氏は「長年、ERPコンサルタントをしていると、仲間内での評価が決まってくる」と説明する。

 「評価が高ければ、困った仲間から相談を持ち掛けられる。その期待に応えると信頼が得られ、自らの価値を高めるような重要なプロジェクトに誘ってもらえる。こんな風に人脈が生きてくる」。

 井上氏は、「今の会社は周囲も経験豊富なので、自分の技術をより一層、深められる」と話す。