映画やアニメなど有料映像配信や光回線販売を手がけるU-NEXT(ユーネクスト)。MVNO事業にも比較的早い2013年5月に参入している。映像配信とSIMとのセット販売など独自の施策を展開、2016年3月時点でシェア4位(MM総研調べ)につけた。ただ、同調査で後発の楽天が3位に飛び込むなど競争は激化している。こうした中で同社が、国内におけるMVNOの草分けである日本通信との事業提携を発表したのは11月7日のことだ。真意はどこにあるのか。U-NEXTの二宮康真・取締役通信事業担当に聞いた。

(聞き手は高槻 芳=日経コンピュータ

日本通信とMVNO事業で協業する。

U-NEXTの二宮康真・取締役通信事業担当
U-NEXTの二宮康真・取締役通信事業担当
[画像のクリックで拡大表示]

 当社の契約数は順調に伸びているが、競争力の高い競合MVNOが増えており、大手携帯電話会社もここにきて攻勢を強めている。こうした中で存在感を保つには、より多くのマーケティング費用も必要になってくる。MVNO事業を継続するには多大なコストがかかる。どこかに集中投資して付加価値を高めていかなければ、今後生き残れなくなるのは明白だ。

 そんな状況で、いつまでも1社でMVNOサービスに必要な機能を持つ必要があるのか。以前からこう考えていたところ、日本通信が事業形態を見直すという話が出てきた。MVNOの草分けである日本通信と組むことができれば、当社は付加価値の高いサービスの構築に集中して投資できる、と判断した。どちらが一方的に協業を持ちかけたというより、タイミング良く歩み寄った感じだ。