「格安スマホ」に代表される国内MVNO市場が本格的に立ち上がっておよそ2年半。インターネット接続事業者(ISP)などが切り開いた市場に流通・小売や電子商取引(EC)など異業種がなだれ込み、今や580社(2016年6月時点)がひしめき合う。我先もと料金値下げを繰り返して市場は急拡大したが、一方で、競争から脱落する企業も現れ始めた。

 だが今、格安スマホを含めたモバイル通信サービスの「老舗」企業が動き始めた。大手キャリアが門外不出にしてきた加入者管理機能を自ら用意し、新たなMVNOサービスの創出を目指すIIJなどだ。独自の事業モデルを確立し生き残りを図ろうとしている。