会議は物事を決めるための場。のはずなのに、終わっても「何が決まったか」が分からず参加者はモヤモヤ。次までにやるべきタスクやアサインの認識が違っていて、「えっ、それは自分がやらなくてはいけなかったの?」と仕事が大混乱。今回は決まったことを全員が理解できる「魔法の言葉」を学ぼう。

【ダメな例】「じゃあ、そういうことで」と真っ先に部屋を出る

 議論が終わった途端に、すぐに部屋を出て行く上司。「これで決まったな。じゃあ、そういうことで。あとはよろしく」なんて言いながら、上司が真っ先に会議室を去る。

 ところがメンバーは困り顔。上司とは全く逆のことを考えている。「え? 結局、今日は何が決まったんだっけ? なんかモヤモヤするなあ」。とはいえ、そんなことを口に出して言えるわけがない。

 もし部下が「今日は何が決まったんですか?」なんて言い出したら、上司はきっと腹を立てるだろう。そして「そんなこと、イチイチ確認するな。君はオレの話を聞いていなかったのか?」と怒鳴られるのがオチだ。

 そうなると部下の思考は「また怒られるのは嫌だから、次回からは分かったフリをしておこう」となる。日常の会議はこんなふうになっていないだろうか。

 「じゃあ、そういうことで」とは、いかにも無責任である。決まったことがしっかりと理解できていないから、何だかスッキリしないのである。

 一般に、部下は上司ほど賢くない。頭が切れるとも限らない。1~2時間の会議で決まったことを抜け・漏れなく、間違いなく記憶することなど不可能だと思った方がいい。

 だから部下の記憶や能力に頼らず、上司は決まったことをしっかりと染みわたらせて、全員に理解してもらう必要がある。これができれば、会議のスッキリ度合いや納得度合いは上がる。これは上司の役目だ。

【処方箋6】「決まったこととやるべきこと」を確認する

 普通に考えると当然のことに思えるが、実際の会議ではほとんど、決まったこととやるべきことが確認されていない。だからこそ、この処方箋には大きな力がある。どんなに時間がなくても、確認するだけなら1~2分で終わる。必ず実行するように、最初のうちは上司が部下に促したい。

 確認は上司がやるのが一番いい。若いメンバーが「決まったことを確認させてください」と言い出すには勇気がいる。上司から毎回決まったことを確認するようにすれば、いずれそれが“文化”になって定着する。そうなったら、あなたの会議は1つステージが上がったことになる。