会議がイマイチ盛り上がらない。若い部下が発言しない。いつまでもダラダラと時間がかかる─。会議に対する不満は、どの企業でも共通している。

 「やれやれ。ウチの会議は全然良くならないよ」と思っている管理職の方たちも多いことだろう。そんな人にこそ、声を大にして言いたい。

「そのグダグダ会議、あなたのせいですよ!」

 管理職ではなくても、部下や仲間を抱えるリーダーも同じだ。会議の出席者で1番立場が上の人が「会議の雰囲気を作る」のである。

 普段の会議を思い出してほしい。重鎮のような人が仕切る会議は暗く、重くないだろうか。話好きで活発な人が仕切る会議は盛り上がるかもしれないが、総じて議論が発散しがちではないか。

 良くも悪くも、影響力のある人、特に上司の振る舞い方一つで会議の質は決まってしまうのである。

 もう一度、言おう。あなたのチームの会議の雰囲気は間違いなく、上司であるあなたが作っている。つまり、上司が的確な振る舞いをして、上司力を発揮できれば、会議は劇的に良くなるのである。

 現代の企業活動の大半は、会議で成り立っているともいえる。顧客からのクレーム対応や人材育成の試行錯誤、部課の中期目標の設定、顧客との商談などなど。日々の業務は、会議がなければ回らない。

 つまり、会議での議論やそこでの意思決定の質が高ければ、おのずと企業活動の品質は上がる。会議のスピード感が、そのままビジネスのスピードにもなる。もはや会議は、企業活動にダイレクトに影響を与えていると言っても言い過ぎではない。

 よって、上司の振る舞いがそのまま会社に影響を与えるのである。では、素晴らしい会議を作るには、上司はどう振る舞えばよいのか。一緒に考えていこう。

「良い会議」をイメージしよう

 そもそも、我々はどんな会議の姿を目指すべきなのだろうか。会社にミッションやビジョン、戦略があるように、そして組織にも目標があるように、会議にも「目指すべき姿」があるはずだ。上司として、どんな会議を目指しているのかがイメージできていなければ、良い会議など作れるわけがない。

 目指すべき理想の会議とは、いったいどんなものなのか。ちょっと考えてもらいたい。まずは以下の会議の状態を想像してほしい。

  • 時間通りに始まる
  • 会議の目的が明確である
  • 不要な人がいない、必要な人だけがいる
  • 議論したいことが明確である
  • 全員が活発に、建設的に発言している
  • 決まったことが明確である
  • 納得感がある
  • しっかりと準備ができている
  • 高密度で時間通りに終わる
  • “内職”している人がいない
  • 話が脱線しない
  • 議論に必要な情報がそろっている
  • 全員が決まったことを理解している
  • 会議室を確保できている

 改めて会議の姿を考えてみると、色々と挙がるはずだ。試しに上記のなかから「もしこの要素がなかったら、良い会議とはいえない」と思えるものを5つ選んでみてほしい。言い換えれば、「これだけ押さえておけば、良い会議といえる」と思うものを選んでみよう。