北陸銀行は2017年1月のカットオーバーに向けて、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品による情報系インフラを構築中だ。従来はSIベンダーが構築してきたが「ベンダーに任せきりでは、構築・維持に多額の費用が掛かる」(北陸銀行 総合事務部 IT企画グループ長の富永英司氏)。これを課題と捉え、銀行主導の体制に切り替える。

 「5~6年ごとのハード更改やシステム拡張にSI費用が発生する。自分たち主導でパーツを組み合わせる形に変え、コストを下げていきたい。長期的に見て、インフラ維持コストを20%削減できると見込んでいる」。北陸銀行 執行役員の多賀満氏はHCI製品の採用理由をこう話す。

写真1●左から、ほくほくフィナンシャルグループ 企画・総務グループの大谷賢一氏、北陸銀行 執行役員の多賀満氏、北陸銀行 総合事務部 IT企画グループ長の富永英司氏、ほくほくフィナンシャルグループ 企画・総務グループの宮崎克宣氏
写真1●左から、ほくほくフィナンシャルグループ 企画・総務グループの大谷賢一氏、北陸銀行 執行役員の多賀満氏、北陸銀行 総合事務部 IT企画グループ長の富永英司氏、ほくほくフィナンシャルグループ 企画・総務グループの宮崎克宣氏
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 同行が選んだHCI製品は、米ニュータニックスの「Nutanix」である。HCIはPCサーバー(ノード)に、ハイパーバイザー(サーバー仮想化ソフト)、ストレージ仮想化ソフト、運用管理ソフトを搭載し、ノード追加によるスケールアウトでインフラを拡張していくアーキテクチャーを持つ。

 HCI専業の新興ベンダーであるニュータニックスは、独自のストレージ仮想化ソフトを中心にNutanixを作り上げた(関連記事)。「Nutanixを使って新しいチャレンジがしたい」と多賀氏は意欲を見せる。Nutanix活用によるコスト削減の背景には、より良いシステム構築手法を探るSI変革がある。SI変革をてこに、ワークスタイル変革やセキュリティ強化なども進めたい考えだ。「Nutanixは銀行で実績はなかったがメリットは十分にある。銀行の中で最初に手掛けたい」(多賀氏)。