LINEのMVNOサービス「LINEモバイル」が9月21日、本サービスに移行した。先行販売では配送体制や、LINEを通信費ゼロで利用できる「カウントフリー」機能などで顧客の満足度が高いと分析。事業立ち上げに自信を見せる。事業主体であるLINEモバイルの嘉戸彩乃社長にサービス開発の経緯や今後の計画を聞いた。

(聞き手は玄 忠雄=テレコムインサイド

写真1●LINEモバイルの嘉戸彩乃社長。UBS証券で通信事業者の資金調達業務を担当後、通信用鉄塔の貸し出し事業を目的としたJTOWER設立にも携わる。通信事業者としてのマインドも併せ持つ印象を受けた。(撮影:中村 宏)
写真1●LINEモバイルの嘉戸彩乃社長。UBS証券で通信事業者の資金調達業務を担当後、通信用鉄塔の貸し出し事業を目的としたJTOWER設立にも携わる。通信事業者としてのマインドも併せ持つ印象を受けた。(撮影:中村 宏)
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当初10月1日に予定していた本サービス移行日を10日ほど繰り上げた。

 9月5日から上限2万件で先行販売を開始し、契約処理や配送体制などを検証、顧客の反応も注視してきた。

 例えば、配送はWeb申し込みから本人確認審査、商品出荷までを即日、もしくは翌日に完了する体制を準備し、先行販売から実現できた。SIMだけの販売と端末とのセット販売のどちらでも午前中に申し込みがあった場合は即日発送し、関東近郊ならほぼ翌日に商品が届いている。

 お届けした端末はSIM装着や設定が済んでおり、開封して電源を入れたらすぐに使える。実際にユーザーからは「手続きや配送、利用開始がスムーズだ」「分かりやすい」という声を多くもらった。

 上限数を設けなくても計画した配送体制が実現でき、顧客満足度も高いと判断し、前倒しで本格販売に移行した。

先行販売ではどのような点にユーザーの評価が集まったか。

 サポートセンターで得た顧客の声やネットでの書き込みなどを見ると、配送体制のほか、使い始めの分かりやすさ、利用状況をLINEアプリのトーク画面でメッセージとして確認できる利便性などが評価されている。データ通信の残量を確認して「本当にLINEがカウントフリーで利用できる」と実感する声も見かける。