この連載では主にSE出身の営業担当者に向けて、複数のメンバー(スタッフ)で効果的に営業活動を展開する「チーム営業」の進め方を、筆者の経験とノウハウを基に説明しています。

 ケーススタディ(受注にすぐつながる案件とつながらない案件、担当者に必要なスキルは正反対)とCRM(顧客関係管理)/SFA(営業支援)システムの話(痛い目に遭って初めて分かるCRM/SFAの価値)を間に挟みましたが、ここまでチーム営業の作業分担をどのように進めればいいのかを説明しました。

 連載第4回(会話もルーチンワークも苦手な人に向く営業の作業はある?)で、成果が上がり、進化が可能な営業体制を実現するには、以下の二つが必要だとお話ししました。

  • チーム営業の作業分担を設定する
  • 設定した作業分担を実際に運用する

 一つめが、ここまで説明した内容です。今回から二つめの「設定した作業分担を実際に運用する」を取り上げます。

分業制ではPDCAを回しにくい

 チーム営業を進めるうえで、どの作業をどのスタッフが担当するかに関する作業分担が決まりました。さっそく営業活動を始めよう──。ちょっと待ってください。まだ問題が残っています。このままでは「営業のPDCAが回せない」という問題を解決する必要があります。

 計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)を繰り返すPDCAは、業務を進めるうえで欠かせません。営業も同じです。最初からベストな営業ストーリーや営業体制を作るのは不可能ですし、市場や顧客などの外部環境、自社商品や社内リソースなどの内部環境は常に変化します。