この連載では主にSE出身の営業担当者に向けて、複数のメンバー(スタッフ)で効果的に営業活動を展開する「チーム営業」の進め方を、筆者の経験とノウハウを基に説明しています。
チーム営業を実践するためには、成果が上がり、変化すなわち進化が可能な営業体制を構築・運用する必要があります。前回(あなたが思うより奥が深い営業の仕事、一つの受注に15の作業が必要)は、この点をお話しするとともに、以下の二つに取り組む必要があると説明しました。
- チーム営業の作業分担を設定する
- 設定した作業分担を実際に運用する
今回は、一つ目の「チーム営業の作業分担を設定する」を取り上げます。
今回以降で説明する内容は、基本的に営業マネジャーが担当するものです。ただ、企業によってはリーダークラスのスタッフなどがその役割を担うケースもあるかと思います。営業マネジャーの立場にはない方も、「自分が営業マネジャーを務めている」と想定して、以下を読み進めてください。
作業を分担して「効率」と「質」を高める
チーム営業の体制を作る際には、どのような作業があるのかを明らかにしたうえで、「どの作業をどのスタッフに割り当てるのか」という作業分担を設定します。
作業分担を設定する狙いは二つあります(図1)。
まず、作業の「効率」を上げる。同じ作業を同じ人が担当すると、作業に早く慣れますし、ノウハウもたまっていきます。これが作業効率を高め、時間当たりの「作業の出来高」を増やすことにつながります。