この連載では主にSE出身の営業担当者に向けて、筆者の経験とノウハウを基にチーム営業の進め方を説明しています。前回(「営業経験ゼロ」のSE出身者が成果を出せる必殺技、教えます)はイントロとして、システム開発と営業で仕事の進め方はどう違うか、チームで営業を進めるとどんなメリットがあるかを中心に説明しました。

 今回は、複数の営業担当者で体制を構築する際の課題と、営業体制のパターンについてお話しします。

混成チームでいかに全体としての成果を上げるか

 IT企業の営業部門をマネジメントするのは難しい。IT企業で新規事業を立ち上げ、営業部門をマネジメントしてきた筆者の実感です。理由は前回触れたように、IT企業の営業部門は「混成チーム」だからです。

 多くのIT企業は、最初から営業の要員として採用・配属するとは限りません。最初は技術職として採用・配属し、経験を積んだのちに営業に異動させる。あるいは、営業スタッフを中途採用する、管理部門から異動させる、といったケースも珍しくありません。

 昨今では、新規事業の立ち上げとともに新たな営業体制を作るという話もよく聞きます。この場合、チームは「混成」の色がより濃くなります。

 混成チームのマネジメントが難しいのは、容易に想像がつくと思います。同じような経歴や資質を持つ営業担当者の集まりであれば、極端な話、できる担当者のやり方を真似れば成果がそれなりに上がるでしょう。混成チームの場合はそうはいきません。できる担当者の真似をして成果が上がるとは限りませんし、そもそも同じやり方を取ろうとしてもできない場合が多いのが現実です(図1)。

図1●混成チームのメリットとデメリット
図1●混成チームのメリットとデメリット
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