日経BP社は、全国の公立小中高等学校の情報化進展度を比較する「公立学校情報化ランキング 2016」をまとめた。文部科学省が全国の公立学校を対象に実施する「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」(2016年3月1日時点)を基に算出した。ランキングの発表は今回で9度目となる。

 ランキングでは、大きく2つの評価項目を用意した。一つは機器などの整備状況を示す「インフラ整備」。児童・生徒用パソコンの導入率(1人に1台に対する達成度)や、電子黒板の導入率(1学年2台に対する達成度)、公務支援システムの導入率などを評価した。

 もう一つは、教員の授業へのICTの活用力や情報モラルの指導力などを示す「教員指導力」である。ICTの活用力を問う18問の設問に対して「わりにできる」「ややできる」と答えた教員の割合を基に算出している。「2015年度中にICT活用指導力の研修を受けた教員の割合」も加味している。

 小学校では、前回首位だった岡山県備前市に代わって、佐賀県武雄市が首位となった。武雄市では、2014年度から市内の全小学校の児童に1人1台のタブレット端末を配布。児童が自宅で動画教材を用いて学んでから学校の授業に臨む「反転授業」にも取り組んでいる。

 中学校では佐賀県立中学校、高等学校では、佐賀県立高等学校が、共に前回に続いて首位となった。いずれのランキングでも、佐賀県の自治体が上位に多く入っている。結果を見ると、教育現場の情報化進展度は、自治体による格差が非常に大きくなっている。

2016年のランキングと算出方法

公立学校ランキング 都道府県別データ

北海道・東北

北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県

関東

茨城県  栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県

中部

新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県

近畿

滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県

中国・四国

鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県

九州・沖縄

福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県

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