社員食堂は「食事をとる」という目的以外にも、社員同士のコミュニケーションを図るための場として重宝されているようだ。中には、社食とはちょっと異なる飲食スペースを設ける企業もある。そんな企業の一つが、グループウエアを手掛けるサイボウズだ。

コミュニケーションのためのBAR

 サイボウズの本社は、東京メトロ日本橋駅から直結の東京日本橋タワーにある。同社が入居するのは、ビルの27階の一部と28階だ。本社では現在、派遣社員も含め約350人の社員が働いているという。

サイボウズ本社オフィスの入り口
サイボウズ本社オフィスの入り口
(撮影:北山 宏一、以下同じ)
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 「後楽園からこの日本橋に本社を移転したのは、2015年7月のこと。その際、『なぜ高い家賃を払ってまで新オフィスを作るのか』と議論を重ねた。導き出した答えは、社員、パートナー、クライアントと気軽にコミュニケーションを取るため、だった」。

 こう話すのは、事業支援本部人事部の松川隆マネージャーだ。国内外のIT企業を視察し、1年ほどかけてオフィスの構想を練ったという。そして決定したのは、よりコミュニケーションがとれる「BAR(バル)」の導入だ。27階に設置した。

サイボウズ本社にある「CYBOZU BAR」
サイボウズ本社にある「CYBOZU BAR」
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 スペインでBARというと、昼はコーヒーを飲み、夜はお酒を飲むという2つの顔を持つ。そこからヒントを得て、昼間は社員が食事をとり、プロジェクターやテレビ電話で打ち合わせをする、夜はセミナーや懇親会のスペースとして、キッチンで料理した食事やお酒を提供できるようにしたという。

BARのテーブルでは食事も会議もできる
BARのテーブルでは食事も会議もできる
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