ビジネスでもプライベートでも、何か文書を作成するには、パソコンを使うのが当たり前。特に最近は、ノートパソコンのユーザーが増えている。省スペースで、持ち運べるノートパソコンは確かに便利である。

 ただこうしたノートパソコンは、5年も6年も使っていれば、どうしても力不足になってくる。「遅い」あるいは「ストレージの容量が足りない」といった事態に陥りがちだ。とはいえ、パソコンが古いからと言って、即、買い替えというわけにはいかないことも多い。

写真●ノートパソコンのHDDをSSDに換装するのは意外に簡単だ
写真●ノートパソコンのHDDをSSDに換装するのは意外に簡単だ
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 では非力なまま使い続けるしかないのか。実は古いノートパソコンでも、ちょっとした改造で劇的に性能が改善することがある。それは、「ハードディスク(HDD)」を「SSD」に交換する方法だ。

 SSD、すなわちSolid State Driveは、HDD代わりに用いられるストレージの一種。磁気を用いたHDDとは異なり、中身は半導体メモリーだ。物理的にディスクが回転して、データを読み書きするHDDと比べ、電気的にデータを処理するSSDは、高速で静音性が高く、省電力という特徴がある。SSDにはさまざまな形状があり、ノートパソコンで用いられている2.5インチHDDと同じ形状、同じインタフェースを備えているものもある。つまり、ノートパソコンで使っているHDDと同じ形状のSSDを購入すれば、交換できる可能性が高いということだ。

 SSDはHDDと比べて高価だとされてきたが、今は大分値段も落ちてきている。例えば、容量が480GBで、1万2000~1万4000円程度で購入できる。インターネットの通信販売などでも販売されているので、入手もしやすい。5、6年前のノートパソコンと言えば、160G~500GBくらいが一般的だったが、1万4000円も出せば高速で大容量になるわけだ。

 実際、筆者も6年前に購入したパソコンを改造してみて起動時間を比べてみた。すると元の状態が40秒以上かかっていたのに対し、SSDへと交換した後は半分以下の20秒を切るところまで改善した。起動してからも、動作は高速だ。最新パソコンとは言えないまでも、1~2年ほどは延命できたといえるだろう。

 こうした改造は自己責任で行う必要がある。古すぎて交換できない場合や、薄型のノートパソコンで難易度が高い場合もある。そうした場合は素直にあきらめた方がよいが、改造できるかどうか、見極める術は心得ておきたい。

 「ITpro EXPO 2016」において、ノートパソコンを改造するためのノウハウを解説する。ITpro EXPO 2016は、2016年10月19日から10月21日まで、東京ビッグサイトにて開催される。記事で紹介した講演は10月21日(金)15:00~15:30、展示会場内のメインシアターで行われる。来場事前登録をしていただき、ぜひ会場に足を運んでいただきたい。