プログラミング教育の必修化、児童・生徒に1人1台のタブレット端末、オンライン学習の隆盛、「EdTech」と呼ばれる教育系ベンチャー企業の勃興、STEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)教育の推進――。教育とICTに関する話題がここのところ目白押しだ。

 ICTに関わる企業にとっても、こうした教育とテクノロジーに関する動きは無視できるものではない。機器やネットワーク、システムやサービスの提供者としてだけでなく、将来の人材にも大きく関係するからだ。

 例えば金融関連のテクノロジーとして取り上げられることが多い「ブロックチェーン」。今後、教育分野にも応用される可能性がある。

 2016年3月、米国テキサス州オースティンで開催された教育関係者が集う全米最大規模の教育イベント「SXSWedu(サウス・バイ・サウス・ウエスト・イー・ディー・ユー)2016」で講演した未来予測学者のジェーン・マクゴニガル氏は、近い将来、ブロックチェーンを用いて個人の学習履歴が全て追跡できるのではないかと述べている(関連記事写真)。米国の大学の中には、学生の学習履歴管理にブロックチェーンを実際に利用しようとする動きもあるという。

写真●SXSWedu2016のキーノートに登壇したゲームデザイナーであり未来予測学者のジェーン・マクゴニガル氏
写真●SXSWedu2016のキーノートに登壇したゲームデザイナーであり未来予測学者のジェーン・マクゴニガル氏
(写真は小宮山利恵子氏撮影)
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 もちろん、今すぐ実現するものではないにせよ、個人の学習履歴、それも学校で学んできたことだけでなく、社会人になってから取得した資格や受講したセミナー、職歴などが履歴書や職務経歴書ではなく、ブロックチェーンを使った手段で追跡できるようになると、企業の採用活動や人材の抜擢などが大きく変わってくるはずだ。さらには個々人の働き方、学びに対する考え方をも変える可能性を秘めている。

 ブロックチェーンはあくまでも一例だが、ITpro EXPO 2016では、前述のSXSWedu 2016の記事をITproに執筆し、国内のみならず世界各国の教育とICTの動向に精通するリクルート次世代教育研究院 院長の小宮山利恵子氏がテクノロジーが教育に与える影響について講演する。日時は10月19日(水)15時から。展示会場内のメインシアターで行われる。

 ITpro EXPO 2016は、2016年10月19日から10月21日まで、東京ビッグサイトにて開催される。記事で紹介した講演は10月19日(水)15:00~15:30、展示会場内のメインシアターで行われる。来場事前登録をしていただき、ぜひ会場に足を運んでいただきたい。