今回のiPhone 7/iPhone 7 Plusは耐水・防塵性能を備え、イヤホン端子がなくなるなどの大きな変化は確かにあるものの、デザイン面で大きく変化したわけではなく、デュアルカメラ機構もiPhone 7 Plusのみ。全般的に見ると、iPhone 4sからiPhone 5、iPhone 5sからiPhone 6に変化したのと比べ、大きく変化している部分は少ない印象を受けた。

 なのであれば購入するべきかどうか迷う部分も確かにあるのだが、結論から言うと筆者は既に、SIMフリー版のiPhone 7を予約している。その最大の理由は、やはり「FeliCa対応」と「Apple Pay」ということになるだろう。

出所:アップル
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 筆者は公共交通や買い物など、幅広い場面でおサイフケータイを日常的に活用している。それだけに、おサイフケータイ機能のないiPhoneをメインの端末として利用するのは、日常生活のスキームを大きく変えなければならず、おサイフケータイ愛好家としてはどうしても抵抗があったのも事実だ。

 だがiPhone 7/iPhone 7 Plusで初めてFeliCaに対応し、日本でも10月のApple Pay開始が明らかになった。現状のApple Payは、おサイフケータイと比べれば使える機能がまだまだ限られるものの、QUICPayやiDによる決済だけでなく、Suicaに対応したことは大きな変化だといえる。

 FeliCaを使った電子マネー基盤の中でも、多くの人が利用しているSuicaへの対応が、これまでおサイフケータイを理由にiPhoneを利用しなかった人を取り込む契機となることは確かだろう。またFeliCaのリーダーが広く普及し、10年以上前からおサイフケータイという基盤が存在するなど、環境が充実した日本でさえもなかなか普及が進まないモバイルペイメントが、iPhone 7/iPhone 7 Plusを起点として広まる可能性があるのではないかという期待も、少なからず抱いている。

 もちろんそのためには、iPhone 7/iPhone 7 Plusでどの程度、モバイルペイメントが快適に利用できるのか確認する必要があると感じていた。筆者がiPhone 7を購入したのは、ある意味アップルのモバイルペイメントに対する本気度を見るため、と言っても過言ではない。