コニカミノルタがサーバービジネスを今秋にも世界で展開する。現在1200人のグローバル開発体制で製品の最終的な詰めの作業を進めている。

 異業種からのサーバー市場参入は、ネットワーク機器メーカーの米シスコシステムズが有名。2008年のことだ。IT調査会社の米IDCや米ガートナーによると、シスコは既に米オラクルや富士通を抜きサーバー売り上げでベスト5入りしており、米IBMや中国レノボと3位の座を争っている。

 シスコのサーバービジネスの特徴は、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器を単一のきょう体に統合したコンバージドシステム(垂直統合システム)を主力の事業としている点。2009年に米EMC(2016年に米デルと企業統合)と共同でコンバージドシステムアーキテクチャーを発表しており、コンバージドシステムの草分け的な存在だ。

 シスコがデータセンターにあるネットワーク機器からサーバー事業を視野に入れたのに対し、コニカミノルタのグランドデザインは、どこのオフィスにでもあるコピー機や、コピー機をベースにスキャナー、プリンター、ファクシミリを垂直統合した「デジタル複合機」にサーバーを取り込んだ。具体的には、Linuxを搭載したx86サーバー(Skylakeおよびストレージ)と複合機を単一きょう体に統合した(写真1)。つまりオフィス機器サイドから見たコンバージドシステムである。製品名は「Workplace Hub」だ。

写真●Workplace Hub
写真●Workplace Hub
出所:コニカミノルタ
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 IDCはコンバージドシステムや、拡張性を売り物にするハイパーコンバージドシステムがサーバー分野で2桁成長を遂げているため、サーバー市場とは別にコンバージドシステム市場のランキング調査を発表している。仮にWorkplace Hubが成功した場合、「複合機+サーバー」のコンバージドシステムを、IDCが調査統計上どのように扱うか注目だ。

 コニカミノルタの2017年度の連結売上高は6.7%減の9266億円。地域別で日本19%、アジア24%、欧州31%、米国26%と完璧なグローバル企業で200万社の顧客ベースを持つ。顧客先の複合機をリプレースすることで同社のWorkplace Hubが新たなコンバージドシステム市場を開拓すれば、他のキヤノン、リコーなどの大手複合機メーカーが追随し参入するのは必至と見られる。