2016年4月中旬から6月末までの3カ月弱の間、リクルートテクノロジーズでは携帯型ビーコンデバイスと、それと連動するiPhoneアプリを従業員539名に配布し、実証実験を行った。
このビーコンデバイスとアプリは、一言で言うと「周囲にいる人のプロフィールを表示する仕組み」である。これによって社内のコミュニケーションを活性化できるかという実験だ。
実験の結果、ビーコンデバイスの開発に関する技術的な知見が得られ、それをコミュニケーションに応用する際の課題などを洗い出せた。
この特集では、この実験のために作成したサービスがどのようなものか紹介する。また、Physical WebやEddystoneという、ビーコンに関係する技術の概要を併せて解説したい。そして、ビーコンというハードウエアの開発をどのように進めていったか、実験の結果はどのようなものとなったのかを最後に紹介したい。
社員証にぶら下げたビーコンでコミュニケーション円滑化
実際に運営したサービスは次のようなものだ。
ビーコンの携帯方法は自由だが、基本的には社員証のネックストラップにぶら下げることを想定している。このビーコンを携帯した社員が周囲にいるときに、アプリのメイン画面を開くと以下のようになる。

周囲にいる人のプロフィール画像がリストアップされ、それをタップすると詳細画面に移動する。名前や所属などの簡単なプロフィールが掲載されており、簡単に相手の情報を確認できる。主に会議室などでの利用を想定したサービスだ。

一度近接した相手のログは一定期間残るようになっている。ブックマークしてずっと残しておけるため、会議後でも確認できる。