筆者の家のアクセスポイント(AP)はリビングに設置している。リビングでWi-Fiを利用していて快適に利用できているが、寝室に行くとWi-Fiの電波が弱くなって切れることもある。一般的なマンションでアクセスポイントと寝室との間の直線距離は5m程度だが、間にはトイレ・廊下・クローゼットなど何枚もの壁や物がある。

 APと利用端末との間に遮蔽物があると、その影響で電波が減衰するといわれる。では、実際にどれくらい減衰するものなのだろうか。今回は三井情報 東中野オフィスの壁や仕切りを利用してどれくらい電波が減衰するのかを実際に試した。

 APはシスコシステムズのAironet3802i、測定器(テスター)はフルークネットワークス製のAirCheck Wi-Fiテスターを利用した。Aironet3802iが発する電波をAirCheck Wi-Fiテスターで受信し、その電波強度を測定する形となる。実際は、APが定期的に送信しているビーコン(SSIDを端末に通知するために発信しているパケット)を、5m離れた場所にあるテスターで受信して電波強度を確認している。なお、APのSSIDは「site-survey」として、2.4GHz帯は6チャネル、5GHz帯は36チャネルを利用。APとWi-Fiテスターとの間の5mの空間に様々な遮蔽物を挟んでみて、どれくらい電波が減衰して届くかを確認した。

 通常APは天井などの高い場所に設置することが多い。しかし今回の測定は壁を通過することによる電波減衰の確認が目的なので、図1のように地上約1mに設置した。実際の利用環境で、この高さにAPを置くことはあまりない。

図1●アクセスポイント設置イメージ
図1●アクセスポイント設置イメージ
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